幕末〓冷血の鬼
恋花の部屋を出て少し歩くと、恋花は梅の木を見ていた。


「こんな所にいたのか。」


俺がそう言うとビクッと肩を揺らし恋花は振り返った。


「ごめんなさい。梅が綺麗で…」


怒られると思ったのだろう。


恋花はただシュンとしていた。

「怒っちゃいねえよ。」


俺がそう言うと、恋花はパッと顔を上げた。
< 56 / 627 >

この作品をシェア

pagetop