幕末〓冷血の鬼
ハァと息をつき寝ている恋花の隣に座ると恋花の頭をそっと撫でた。


「初めて……だったんじゃねえのか?」


恋花がここに来たばかりの時にした花見の後、俺が『お前唇づけまだ誰ともした事ねえだろ?』と聞くと恋花は顔を真っ赤に染めた。


俺の知ってる限りあれからも誰とも接吻はしていない。


「馬鹿だな…お前。」


初めての接吻は酔っ払ってで、しかも俺。


「お前にも好きな奴がいるんじゃねえのか?」


そう言いながら撫でていた手を止めると、恋花は自ら俺の手にすり寄って来た。
< 563 / 627 >

この作品をシェア

pagetop