幕末〓冷血の鬼
遊郭に向かうと皆すでに準備万端で原田さんがニヤニヤと笑って話しかけてきた。


「遅いぞ~。土方さん、恋花。さては昨日は……。」


「馬鹿か。」


土方さんはそう言うとさっさと前の方へ行ってしまった。


「なんだ?本当に何かあったのか?」


「ありませんよ!」


「おっ?恋花ちゃん、顔が赤くなってるぜ?それにムキになっているのが怪しいな。」


原田さんは、私の反応を試しているようにニヤニヤ笑いながら聞いてくる。


「左之、それくらいにしとけ。」


後ろから声がして驚いて振り向くと斎藤さんがいた。
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