幕末〓冷血の鬼
「斎藤、もう大丈夫なのか?」


「大丈夫?」


原田さんの言葉に首を傾げると斎藤さんはコホンと咳払いをした。


「…大丈夫だ。」


「何がですか?」


話が見えず問い返すと斎藤さんは眉にシワを寄せた。


逆に原田さんは楽しそうに笑っている。


「こいつさ、昨日遊郭で姉ちゃん達の酒拒めなくてよ~。」


「左之……。」


斎藤さんを見ると刀の柄を握り原田さんを睨んでいる。


「ちょっと待て!俺は本当の事を………。」


「今、言う必要はない。」


斎藤さんは、そう言いながら原田さんに近づいた。
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