幕末〓冷血の鬼
周りが変わろうと月は変わらない。


変わらない事、それが羨ましかった。


歴史は、変わる。


今までだってそうだったし、これからも例外ではない。


だが変わっていく歴史の中でも月は変わらないのだ。


新選組も歴史に流されず、月のように変わらなければ、どんなに良いことか……。


月を眺めながら私はギュッと自分の手を握りしめた。


「あら、恋花さんどうしたの?」


声がしてハッと後ろを見るが暗いせいで顔がよく見えない。
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