幕末〓冷血の鬼
「支度してて忙しいのに、ごめんなさいね。」


「大丈夫ですよ。何か用ですか?」


私がそう言うと、ミツさんは私の手を掴み私の手に何かを乗せた。


「総ちゃんに渡して欲しいの。恋花ちゃんから渡されれば、あの子喜ぶと思うから。」


手に乗せられたのは小さな袋に入った、金平糖だった。


「わかりました。沖田さんに渡します。」


「約束よ。戦争から無事に帰って来て総ちゃんに渡してね。これは恋花ちゃんの御守りでもあるんだから。」


ミツさんは、そう言ってクスッと笑った。

「ありがとうございます。」


「ええ、それより後行った方が良いわね。歳ちゃんが待ってるわ。」


「はい。」


私はミツさんに頭を下げると土方さん達の所に向かった。
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