幕末〓冷血の鬼
「皆、待たせてすまぬな。」


しばらくすると、近藤さんと土方さんが戻って来た。


屋敷からは、おつねさん達が見送りに来てくれてて、私達は頭を下げ甲州へ向かった。




「土方さん、なんか嬉しそうですね。」


今日の土方さんは、機嫌が良さそうに見えた。


「そうか?」


「やっぱり、故郷は良いですからね。」


私が言うと隣にいた近藤さんが笑った。


「ハハハハハ。多分、今日歳が機嫌が良いのは故郷の事ではないよ。」


「じゃあどうしてですか?」


私がそう聞くと土方さんは口を開いた。
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