幕末〓冷血の鬼
家に入ると綺麗な女の人が微笑んできた。


「いらっしゃい。勇さん、歳三。それから……恋花さん。」


「私のこと知っているんですか?」


知っているとは思わず問い返すとおのぶさんは、コクンと頷いた。


「ええ、歳三から文で聞いているわ。良い小姓さんができたってね。」


「姉さん!」


土方さんは、おのぶさんを睨みつけたが、おのぶさんは気にしていないみたいでクスクスと笑っていた。


「本当ですか?」


私が土方さんにそう聞くと土方さんは眉にシワを寄せたが、少したつと顔を赤らめて頷いた。
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