幕末〓冷血の鬼
「早く行かなきゃならねえから。」


「そうか、気をつけてな。」


佐藤さんの屋敷をでると、空から雪が舞い降りていた。


うっすらと積もった雪を踏みつけ歩いていると、原田さんが空を見上げてジッと雪が降ってくる様子を見ていた。


「原田さん。あまり、雪に当たると風邪をひきますよ。」


私がそう言うと、原田さんはハッとした様子で私達を見てきた。


「恋花、それから近藤さんに土方さん。話は終わったのか?」


「ああ、待たせてすまなかったな。」


「いや、積もる話もあったんだろ?俺は、皆を呼んでくるわ。」


原田さんは、そう言うと走って行ってしまった。
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