幕末〓冷血の鬼
「それと、その話を村の人々から聞いた隊士達の大勢が脱走をしました。」


島田の言葉に幹部達は凍りついた。


「脱走だと?」


「はい…。隊士の半分くらいが脱走したと思われます。」


島田の言葉に、今まで凍りついて黙っていた近藤さんが口を開いた。


「半分もか……歳、どうする?」


「神奈川に行って援軍を呼んでくる。」


神奈川には幕軍で菜葉隊という隊がある。


「だが、歳。今は夜だぞ。大丈夫なのか?」


「大丈夫も何も援軍を呼ぶ以外に勝つ方法はないだろ?」


俺がそう言うと近藤さんは黙って頷いた。
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