幕末〓冷血の鬼
「どうしたんですか?空を見上げて。」


「少しな、それより恋花。お前、本当に戦場に行くのか?」


永倉さんはそう言って私の肩に手を置いた。


「今更なにを言ってるんですか?皆さんと一緒に行きますよ。」


「………っ!」


私がそう言うと永倉さんは、私を強く抱きしめた。


「永倉さん!?」


「恋花、お前はここに残れ。」


予想の言葉に顔を上げると永倉さんは、眉にシワを寄せて私の顔を見ていた。
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