幕末〓冷血の鬼
「悪いな。」


「何で永倉さんが謝るのですか?」


「俺の我が儘だからだよ。恋花の気持ちを分かっていても、これだけは譲れねえんだ。」


「分かっています。」


私がそう言うと永倉さんは、私の頭から手を離した。


「朝飯の手伝いに行くんだろ?話長くなっちまって悪いな。」


「いいえ、大丈夫です。皆さんの為に頑張って作りますね。」


「ああ。」


永倉さんはそう言って微笑むとその場を離れた。
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