幕末〓冷血の鬼
土方さんの言葉にドキッとしたが確かにそうだった。


「叔父さんは、若い頃私の母を愛していたそうです。でも母は父と結ばれました。叔父さんもその後、他の方と結婚しましたが、母への想いは変わらなかった。そして、叔父さんは日に日に母に似てくる私を自分のものにしたいと考えたのです。」


土方さんは、私の話をただ黙って聞いている。


「兄が壬生狼組に入ったあと、叔父さんは私を口説こうとしました。私が首を横に振るといきなり襲ってきたんです。その時私は父の形見である刀で叔父さんを刺しました。」


「そうだったのか。じゃあ何で壬生狼組に来た?その話だと兄に会うためでは無さそうだが?」
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