幕末〓冷血の鬼
「俺達は元は農民だ。多摩でガキだった頃、餓鬼大将だった近藤さんを本当の大将にしたいと思った。そのためには、やるしかねえ。」


「人を殺してでも?」


「ああ。俺は近藤さんの為なら鬼でも修羅にでもなってやる。だからお前の父を殺した事を悪いとは思わねえ。」


土方さんの目に迷いは無い。


「私も土方さんを恨んでいません。土方さんは正義と思ってした事。だから恨んでいません。」


「そうか。」


土方さんはそう言ってフッと笑った。
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