幕末〓冷血の鬼
襖の前で恋花を呼ぶと、何時もと違い何処となく弱々しい声が聞こえた。


「どうした?」


恋花の目には今にも流れ出しそうなくらい涙が溜まっている。

それにも関わらず恋花はとぼけやがった。


「目が涙目になってるぞ。」


俺がそう言うと恋花は口を開いた。


「もう限界なのかもしれませんね……。土方さん、聞いてくれますか?」


そう言った恋花は、今にも消えそうで俺は無意識のうちに恋花を抱きしめた。
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