幕末〓冷血の鬼
外に出ると梅の花が散り始めていた。


まだうっすらと光る月明かりに照らされ、切ない気持ちになる。


「ミャ~。」


足元に鳴き声が聞こえ下を向くと茶色い子猫が擦りよって来た。


「どうしたの?お母さんは?」

私はそう言って猫を抱きかかえたが、猫は大人しく私を見ているだけだ。


動物は嘘をつかないし、裏切らない。


私は、猫の顎を掻いてやると猫はゴロゴロと喉を鳴らし目を瞑った。
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