四行だけのラブレター
「彩愛…っ」

小百合が、私の背中を撫でた。

「小百合…小百合は、意味分かるの?」

私は、小百合に尋ねていた。

無意識のうちに。


「分からない。分かるわけないよ…。好きならさ、フッたりしないもんね。だけど、もしかしたら…」

小百合の次の言葉と同時に、平と私を繋ぐ細い糸が切れた気がした。

「みんなを、私たちを傷つけない為だったのかもよ。彩愛が、告白されたことを言わなかったように」


ーー…そうなのか。

そうだよ。

何故気付かなかったの?

平はーー…。


『みんなの為に』隠していた感情だったのかもしれないのに。
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