四行だけのラブレター
「彩愛…愛してるよ」

「今言ってどうすんのよ」

「後でも言うよ」

「あっそ。それにしても…」

「なんだよ」

「アンタ、よく喋るね」

「…は?」

「彩愛には、けっこう低い声で、ボソボソとしか喋らなかったから」

「緊張…してたんだ」

「…ふぅーん」

「入学式の時から、好きだったし…名前も知ってたし!」

「え゛っ」

「本当はっ、ずっと前から彩愛が好きだったんだよっ!!そのせいで、暗い奴的な噂立ったし…」

「あら。ムダだったわね」

「は…?」

「彩愛も…入学式にアンタに恋してたんだから」

「…マジ」

「そうよ。永司…」

「…あぁ。分かったよ!元、平の柿峰小百合サン」

「あら。覚えてたの?」

「見たときから分かってたよ。いとこの顔くらいさ」

「…そ。離婚して再婚して、苗字変わりまくったから、バレてないって思ってた。はい、保健室行くわよ」

「あぁ」
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