四行だけのラブレター
「よし、四人揃ったな。大富豪だ~」

大富豪…?

何故いきなり、大富豪なんだ。

っていうか、高校生だよ?

「大富豪って…」

「やるやる!」

小百合は、京ちゃんに近づけることに大興奮している。

私の言葉は遮られた。

私は、平の隣に座ってカードを受け取った。

「スペードの3は誰?」

小百合の言葉に、誰も名乗り出ない。

私は、持っていない。

しばらくの沈黙。

とても気まずい。


「あ…俺だ」

平は、しばらくの沈黙の後、落ち着いた低い声で言った。

…やば。

格好いい。

3が…








よ、よ、よ…


四枚!?
< 4 / 32 >

この作品をシェア

pagetop