【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
「ラシード王、お呼びでしょうか?」
背中から不意に声を掛けられたラシードは、驚くこともなくゆっくりと振り返った。
「王はやめてくれと言っただろう?」
ラシードは、細身の燕尾服を着て礼儀正しく片膝をついている男を見ると、優しく諌めた。
ピリリと張りつめた空気が和らぎ、ラシードがこの人物に対して信頼を寄せていることが分かる。
「失礼致しました、つい……」
燕尾服を着た男は、顔を上げると細い銀縁の眼鏡の奥には、オリーブ色の双眸が光って見えた。
かつてヴラドに仕えていた高級執事、バド・ツェリスである。
背中から不意に声を掛けられたラシードは、驚くこともなくゆっくりと振り返った。
「王はやめてくれと言っただろう?」
ラシードは、細身の燕尾服を着て礼儀正しく片膝をついている男を見ると、優しく諌めた。
ピリリと張りつめた空気が和らぎ、ラシードがこの人物に対して信頼を寄せていることが分かる。
「失礼致しました、つい……」
燕尾服を着た男は、顔を上げると細い銀縁の眼鏡の奥には、オリーブ色の双眸が光って見えた。
かつてヴラドに仕えていた高級執事、バド・ツェリスである。