守護聖人(Patorono)への条件

 大和の住んでいるアパートから、大和の通っている高校までは歩いて約十分程しかかからない。
 当然遅刻などするハズもないし、現実に一回もしたことはなかった。


 だから、そういう物件に住む者は、はっきり言って大和と同じ高校に通う者にとっては憧れであった。
 何しろ市内にたった一つしかない高校なのだ。
 電車の始発に乗らないと遅刻する……という輩も、少なからずいる。


 まあそんなことはどうでもいいとして、要は大和の家は学校から近いということである……のだが……。


 残念なことに、大和は朝が弱い。
 低血圧ではないのだが、べらぼうに朝起きるのが辛いため、キツさの度合いとしては、電車始発組とそう差はないのであった。
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