守護聖人(Patorono)への条件

「ぐあ……。視界が……」


 眠さのせいか、大和の体がぐらりと揺れる。
 慌てて体勢を立て直そうとするが、足も覚束ないために、酔っ払いを連想させるような奇妙な踊りを踊ってしまう。
 そして遂には、足を絡ませて仰向けに倒れ込んだ。
 実に滑稽である。


 しかも運が悪いのか……。
 はたまた不注意が悪いのか知らないが、仰向けに倒れた大和の頭は、受け身もとれずに舗装されたコンクリートの地面に思いきりダイブしてしまった。
 鈍い音が、登校中の他の生徒の耳に届く。


「うごあ……」


 大和は涙目になりながら、後頭部を抑えてじたばたと悶絶する。
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