君のそばに
午前の種目も終わり、私たちは青空の下で昼食をとっていた。
もちろん私たちというのは柚と私。
教室とかベンチ席とか人が集まりそうな場所は嫌だ、と柚が言ったから仕方なく校庭の隅にある2人掛け用の椅子に座った。
それにしても、まだ6月だっていうのに、めちゃめちゃ暑い…!小まめに汗を拭うけど全然絶えない。あとからあとから吹き出るよ…!
「…にしても暑いな〜!」
弁当片手に眩しそうに目を細めて空を仰ぐ柚。
あんたが言うな〜!
私は中が良いって言ったのに、柚が外って言ったんじゃん!
私は思わずツッコミを入れたくなった。
でも無駄な体力を使いたくなかったからグッと我慢した。
怒ると余計に暑くなるしね。
……それにしても何で柚はわざわざ外が良いって言ったんだろう。中だとクーラー効いてて涼しいのに……。
私は暑さに少しクラクラしながら手で顔を扇ぐ。しかし、くるのは生暖かい風だけ。ちっとも涼しくない。
気休めになるかと思ったけど逆にストレスがたまる。
ああ…クーラーが恋しい…。
「あ、そうそう!」
すると柚が何かを思い出したように言った。
「あんたさ、騎馬戦出るって言ってたじゃん。上と下、どっちになったの?」