君のそばに
「大丈夫よ、伍棟さん。」
清水さんが屈んで、私の顔を覗き込むように言った。
”大丈夫”
その言葉に、何だか救われる気がした…。
私、清水さんを信じてるのか、疑ってるのか分からない…。
ただ清水さんのその言葉は信じたいって思ったんだ。
けど……
「伍棟さんなら出来るよ。下で私がしっかり支えるから。自信を持って、一緒に頑張ろう?」
”ね?”
と言って清水さんは私に同意を求めてきた。
”下で私がしっかり支えるから”
私はその言葉には何故か妙な違和感を感じた……。
そう感じたのはさっき柚に何回も気をつけな、って言われた事も関係してるのかもしれない……。
でも私の中にあった小さな不安がモクモクと大きくなっていく感じがした…。
私は返事が出来なかった。
私はすがるような思いで傍にいる柚を見た。
柚の表情も、さっきより険しくなっている。
眉間にはさらに皺を寄せて、疑惑の瞳で清水さんを睨みつけていた。
柚も感じたんだね…。
柚は元々、清水さんに不信を抱いていた。気付かないわけないよね…。
その私たちの顔色が変化した事に清水さんは気付いたらしく、
「…えっと……。
…その、…ゴメンなさい。」
顔を悲しそうに歪ませながらペコッと頭を下げた。
「私、自分では気付かないうちに自分の言葉で人を傷つける事がよくあるの……。
もし…傷つけてしまったなら……謝ります…。
ごめんなさい。」
清水さんは私たちの顔を交互に見つめて、もう一度頭を下げた。