君のそばに
すると私たちの話を聞いていたのか、清水さんが私たちの元へやって来た。
「実春くん家の別荘に行くの?」
ニコッと可愛く微笑みながら清水さんが言った。
あ〜…やっぱり来たか…。
私が嘉賀くんと何か接点を持つ時、必ずと言っていいほど清水さんが現れる。
そして…柚と実春の嫌そうな顔…。
「そうだけど、別に清水さんの事は呼んでないよ。」
柚は清水さんの顔は見ずに面倒臭そうに呟いた。
うわ…!柚、キツイよ、その言い方!
その柚の言葉にシュンとする清水さん。
「そうだよね。
ごめん、3人が話してるのが聞こえたから、つい話に割り込んじゃった。」
「そ!でも清水さんには全く関係のない話だから。」
柚は”あっちに行け”とでも言うように、顔をツンと背けた。
…………。
本当、柚って清水さんの事嫌いみたい…。
言い方がストレートすぎて、見てるこっちはハラハラしちゃうよ…。
実春も何とも言えないような顔してるし…。
「実春くんの別荘って事は、千春くんも来るの?」
それでもめげずに話す清水さん。
「さぁね。」
それを柚が素っ気なく返す。
やっぱり目的はそこだよね…。じゃないと清水さんが話しかけてくる意味ないもん。
清水さんと仲良くなりたいって思ってた私としては、何だか寂しい…。
このままじゃ目的が達成出来ないと思ったのか(私の勝手な予想)、清水さんは思いがけない言葉を吐いた。
「じゃあ伍棟さん、千春くんを別荘に誘ってみてくれない?」