君のそばに
「え!?」
私たちは思わず大きい声が出てしまった。
「千春くん、伍棟さんの事好きだから伍棟さんが誘えば来てくれるんじゃないかな。」
清水さんはそう微笑みながら言った。
わ、私…!?
私が誘うの…!?
「そういう事に沙矢を使うの、止めてくれない?」
すると今まで話に加わらなかった実春が言った。
それも少し怒ってるみたい…?
それに便乗するように、
「そうだよ!自分が誘えばいい話じゃない。」
と、腕を胸の前で組んで思いきり睨みを効かす柚。
柚と実春が今にも噛み付きそうな勢いで言ったにも関わらず、清水さんはさも当たり前のように言った。
「だって私が誘ったって来てくれないかもしれないでしょ?」
…でしょ?…って…。
私には嘉賀くんと仲良くするなって言ってたのに、誘う時は自分じゃ嘉賀くんは来ないから、私が誘え…
さすがの私も、そういうのはちょっと嫌かも……。
何か使われてる気がして……。
…それに清水さん、もう一緒に来る気満々だよ……。
「ていうかさ、私たち清水さんを誘った覚えないんだけど?」
私の気持ちを読みとるように、イライラしながら柚が言った。
それを優しくなだめるように清水さんが言った。
「千春くんが行かないなら私も行かないから平気よ。」