君のそばに


「柚、…海に行かない…?」

私は部屋に荷物をおいて、柚の部屋のドアをノックした。




…再度誘ってみたものの、返事はなかった……−。


私はハァ、と小さくため息をついて別荘をあとにした。





青く透き通った波が何度も私の足元まで打ち寄せ、潮の香りが私の髪を優しく撫でてくれている。


私は浜辺に体育座りをして太陽の光りを浴びてキラキラと輝く海を眺めていた。




これからどうしよう…。

楽しみに来たハズなのに気が重すぎるよ…。


私は体育座りの曲げた膝の上に頭を乗せた。




こんな事になった原因は全て私…。


きっと柚は嘉賀くんの気持ちを知っているクセに、清水さんを応援するような約束をした私が許せないんだ……。


私がはっきりしないから…。





ジャリ…。



すると背後から砂を踏む音が聞こえた。



「どこにいるのかと思ったら、何してんだし。」


その声の主は実春だった。



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