君のそばに
嘉賀くんは、私のことを好きだと言った。
なのに、あれ以来何も言ってこない…。
何か言われると思っていたんだけどな…。
というか、私は言われることを期待していた…。
何かが私の心を強く締め付ける。
私はこのままでいいのかな…。
何もしないまま、実春の彼女として過ごしていけば、いつかこの変な蟠り(わだかまり)は消えてくれるのかな…。
この蟠りは、
別荘での嘉賀くんの後ろ姿を見てから、徐々に出来始めていた。
夏休みを過ぎて、新学期になってから蟠りは消えるどころか、どんどん大きくなっていく…。
…それは、まるで何か私に警告しているみたいに…。