君のそばに
朝9時となり、続々と生徒たちが登校してきた。
私たちも店の準備に取り掛かることにした。
まず皆で黒板前に集合して、店をやる際の注意点について話し合った。
内容は前半と後半が交代する時間についてとお客が来てからのそれぞれの対応、ケーキの補充についてなどである。
私はウェイトレスをやるということで接客について特に気をつけていこうと思った。
バイトとかってしたことないけど、私がお客だったら対応の悪いお店には行きたくないと思う。
例えば、店員の言葉使いや態度が悪いとか。
さすがにそれはしないと思うけど、メニューが覚えられなさそうだな…。
暗記力ないし。
お客の注文をきちんと厨房係に伝えないと、間違えたら困るもんね。
私はそう思うや否や、メニューを忘れた時にすぐカンニング出来るように、左手の甲にメニューを書いた。
そして役割ごとにそれぞれの準備に取り掛かった。
ウェイトレスの係になってる人は衣装を受け取り更衣室へと向かう。
厨房係は黒いエプロンを私服の上から身につけ、バンダナで頭を覆うという至ってシンプルな格好。
その服装の差に、私は渡された衣装を見つめて小さく肩を落とした。