君のそばに
その手は、とても温かかった。



が、今の私にはそれを気にする余裕なんてなかった。


とりあえず、早く家に帰らなければ…!



「ごめんなさい。こんな遅くまで付き合わせちゃって…」



私は改めて、嘉賀くんに謝罪した。

嘉賀くんも実春同様、背が高く、顔を上げないと視界に入らない程だ。


私は小さい方ではないが、
それだけ嘉賀兄弟が高いのである。



「…いや…別に。」



そう呟いた嘉賀くんの顔は、暗闇でよく解らなかったが、





今思うと




少し赤かったかもしれない…。






途中で私たちは別れ、自宅まで私は急いだ。



案の定、私は母親にこっぴどく

叱られた−…。


< 34 / 185 >

この作品をシェア

pagetop