君のそばに
リビングに下りると
昨日とは正反対に、窓からは暖かい光が差し込みコーヒーの香りが部屋全体を包みこんでいた。


私はその匂いに誘われるように奥へと進む。
するとそこには既に母の姿があり、いつもの席で朝食をとっているところだった。




「おはようございます。」



昨日の今日なので少し母の様子を伺いながら、私は自分の席についた。


母はおはよう、と、こちらを見ずに言った。



真っ白に染められた大きなテーブルの中央には花が飾られている。
これはお手伝いさんが毎日手入れをしてくれているものだ。


窓際には小さな水槽がおいてあり、その中を気持ち良さそうに泳ぐグッピー

これは母の趣味だ。






それから、私の分の朝食が運び込まれた。



トロトロに溶けそうな目玉焼きに、焼きたてのクロワッサン、そしてシーザーサラダとコーヒー(微糖)だ。

< 36 / 185 >

この作品をシェア

pagetop