君のそばに
「…大丈夫なのか…?家で寝てた方が良いんじゃない?」



「いや〜うちの母が学校は行け、ってさ。
ま、キツくなったら保健室行くよ〜…」



心配する嘉賀くんを軽く受け流す。
私は左手をヒラヒラとさせながら、また階段を上り始めた。



すると、



「伍棟、鞄貸せ。」



「は…?」



と、後ろを振り向く間もなく右手に持つ鞄が消えた。



「風邪ひいてるんだろ?これくらいは持つ」



嘉賀くんはヒョイとそれを肩に乗せスタスタと先に進んでいく。



「あ…ありがとう」



私は呆気に取られていた、
が、また足を進めた。




ん…?待てよ…。



私はピタッと足を止める。




今…呼び捨てだった…?(名字だったけど)



そんなに親しい関係になったのか…?


まぁ、昨日は手を……繋いじゃったりもしちゃったけど…。


わざとじゃないしな…。

ん…?勘違いでもしてるのか?



………






実春の兄だし…

ま…いっか…。




私は前を歩く背中に質問を投げかける。


が、段々考えるのも面倒になってきたので

勝手に自己完結させた。


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