君のそばに
「おはー!
昨日はどうだった〜?」
私が教室に入るなり、柚が駆け寄って来た。
満面の笑顔で…。
柚も勘違いしてるのだろうか…
私はハァー、と痛む頭を押さえながら言った。
「あのね、何もないから…」
「嘘だね!千春くんが沙矢の鞄持ってんの見たもん!」
「…!」
何て目敏いんだ…。
見てたんなら声かけてくれれば良いのに
私はもう一度ため息をつく。
「んで!何かあったんでしょ!?」
ズイッ、と顔を近付けて同じ質問を繰り返す柚。
「う…」
それがあまりにも近かった為か
思わず私は声を失う…
近い…!
柚さん、ちょっと近すぎるよッ
「ちゃんと、話すからっ
もうちょっと離れて!」
私は、柚の肩を持ち
グイッと後ろへ引き離す。