君のそばに

すると、今度は柚が私の腕を
ぐっ、と掴んだ。



「ていうか、あんた熱あんじゃないの!?」



「…え…っ?」



腕を掴んでいた手が離れ、私のおでこへと滑り込んだ。



「やっぱり…。」



柚はため息をついて
今度は真剣な眼差しを私に寄越した。


私はドキッとした。



「元気が取りえのあんたが
何で風邪なんかひくわけ?」



「え…っと…。」



そう真剣に聞かれ、一瞬怯む。



私はボーッとする頭をフル回転させ、昨日の記憶を掘り起こす。




昨日は柚たちと別れてから

いつの間にか眠ってしまっていて

その後は2人で帰り
(あえて、手を繋いだことは言わなかった)

今日、そのお陰で風邪をひいてしまった−…。




と、私は一通り柚に説明した。


柚は目を真ん丸にして
私を見つめている。


あんたバカ…?
とでも言っている、そんな顔だ。


< 43 / 185 >

この作品をシェア

pagetop