君のそばに
すると、今度は柚が私の腕を
ぐっ、と掴んだ。
「ていうか、あんた熱あんじゃないの!?」
「…え…っ?」
腕を掴んでいた手が離れ、私のおでこへと滑り込んだ。
「やっぱり…。」
柚はため息をついて
今度は真剣な眼差しを私に寄越した。
私はドキッとした。
「元気が取りえのあんたが
何で風邪なんかひくわけ?」
「え…っと…。」
そう真剣に聞かれ、一瞬怯む。
私はボーッとする頭をフル回転させ、昨日の記憶を掘り起こす。
昨日は柚たちと別れてから
いつの間にか眠ってしまっていて
その後は2人で帰り
(あえて、手を繋いだことは言わなかった)
今日、そのお陰で風邪をひいてしまった−…。
と、私は一通り柚に説明した。
柚は目を真ん丸にして
私を見つめている。
あんたバカ…?
とでも言っている、そんな顔だ。