君のそばに
「ねむ……った…?」
「……」
柚は呆れた?
そうだよね。
何のんきに昇降口でスヤスヤ眠って、
朝目覚めたら風邪ひいてましたって…。
明らかバカだろう…
自業自得だ。
私は急に自分がバカに思えてきて(いや、元々バカなんだが)、私は赤くなる顔を隠すように俯いた。
「あんた…
もしかして、気付いてないの…?」
「え…?」
思いきり笑われると思っていた私は
柚の反応に驚き、顔を上げた。
「…いや、
気付いてないなら、いいわ!」
「はい…?」
柚は苦笑いを浮かべ
左手を軽く振った。
そして取って付けたように、
「てか あんた本物のバカだわ」
と言って笑った…。
柚は何か隠してる…。
私はとりあえず柚が何を言いたかったのか分からず、
ただ柚を見つめていた。
…そんな私を見つめている者がいる事に気付きもせずに…