君のそばに

教員の声と鉛筆の音だけが響く教室。

1時限目が始まって20と3分を過ぎたところだった。



私の体調は良くなるどころか、段々と悪化していた。

さっきまでは頭はボーッとしているだけで、まだ何とか持ちこたえる事が出来ていたが

今はガンガンと鈍い痛みが私の頭を打ち鳴らしていた。





まずい…気持ち悪くなってきた……




何度か吐き気がして、ハンカチで口元を押さえた。


周りの生徒はそんな私の状態には全く気付くことなく、教員の話を必死に書き取っている。




ああ…地獄だ…


何で私がこんなに苦しい目にあってるっていうのに


授業なんか受けなくちゃいけないんだろう……



…はやく

…はやく…授業なんて終わってしまえ…




私はひたすらその事だけを祈り続けていた。


すると想いが通じたのか、
授業終了を知らせるチャイムが鳴った。



生徒が立ち上がるのを見て私も一緒に立ち上がる。




ああ…やっと終わった…

助かったぁ…




私はハァ、と深いため息をついた。

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