君のそばに
すると、清水さんはクスッと優しく笑った。



「伍棟さん、寝癖がついてるよ」



「…あ…本当?」



いきなり笑い出した清水さんに私は少し驚いた。

まさか、そんなこと言われるなんて…



そのことに気付く事なく、清水さんは続けた。



「それに、スカートもしわしわ。そのまま寝ちゃったの?」



「あ…そうなの。
誰も起こしてくれなくて今の時間まで寝ちゃった」



「フフフ…そうなんだ」



私は清水さんに指摘された箇所をおおざっぱに直した。
スカートはしわしわのままで、今はどうにもならなかった。



家に帰ったらアイロンかけなきゃ。


清水さんがあんなに見てたのって、これの事だったんだ。

ビクビクしてた私がバカみたい。



そう思った途端、緊張していた気持ちが和らいでいくのがわかった。


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