君のそばに

「清水さんは教室に用があったの?」



と、私が話しかけると、清水さんはまた微笑んで



「そうなの。
私、生徒会役員なんだけど、必要な書類を忘れちゃって…」


そう言った。



「そっか、私もよく忘れ物するんだ。
清水さん、そんな風に見えないけどな」



「そんなことないよ。
私、結構ドジで…」



「それはまだカバー出来る範囲でしょ?
私なんてカバー出来ないくらいバカで…」



私がそう言うと、


「フフフ…伍棟さんって面白いね」



清水さんは小さい肩を揺らして笑った。


その姿がとても可愛く、
ピンと真っすぐな黒い髪がとても似合っていて、

まるで、お人形のようだった。


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