君のそばに
そこにいたのは


実春だった。



「沙矢、…何やってんの…?」



実春は教室に入ろうとしていたらしく、掲示板に張り付く私を見て、不審気味な声を漏らした。



「あ、実春」



「あ、実春…じゃねぇよ!
2日も休んで、久々に学校に来たと思ったら何かやってるし!

本当にダイジョウブなのかよ?」



実春は疑惑と心配が入り交じったような目つきで、私の全身をジロジロと見回した。



「失礼な!私は正常です〜!」



私が実春に睨みを効かしながらそう言うと、実春は苦笑いを浮かべて、悪い悪い、と謝った。





「で、何見てんの?」



と、実春は私の隣に立って私と同じ方向を見つめた。





この時私は改めて思った。

実春って背が高いんだな、と。



私の頭が、実春の肩にやっとこさ届いてる、って感じ。


私もそんなに低い方じゃないんだけどな。



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