君のそばに
「おはよう、伍棟さん」
清水さんはニコリと笑った。
私もつられて笑って、おはよう、と言った。
そして清水さんはそのまま実春に視線を動かす。
「実春くんも、おはよう」
清水さんは笑みを絶やさず言った。
しかし、実春は何も言わず俯いた。
あれ…?
どうしたのかな…
実春が何か…変…
あいさつしないなんて…
「実春!清水さんが挨拶してんじゃん!何で無視すんの?
さっきからおかしいよ!実春!」
私が少し強めに言っても、実春はこちらを見ようとしない。
「………?」
「いいのよ、伍棟さん。
実春くん、いつもそうなんです。」
清水さんは実春を庇うように、右手を私の胸の前で止めた。
「私、実春くんに嫌われてるみたいなの。」
清水さんはシュンとしてそう言った。