君のそばに

清水さんの言葉が気になったのか、実春が一瞬清水さんを睨んだように見えた。


しかし、実春は少し見ただけでまた目を反らした。



何なんだ…?
さっきから…

わけが分からなすぎる。


今、私の頭の上には沢山の『?』が浮かんでいるだろう…




清水さんが、実春はいつもそうなの、と言った。
それっていつもこんな態度を清水さんにしてるってこと?


清水さんも清水さんで気にしてないって言ったらそうでもないみたいだけど、どこか諦めてる感じがする…



でも、何で?



2人共、生徒会役員だよね?
生徒会で何かあったのかな…?




今の私には予想もつかなかった。


だって清水さんの事を知ったのは私の中ではつい最近で、2人に共通する事と言えば、生徒会の人間だという事だけなんだから…




そして、清水さんがふと口を開く。


「伍棟さん、今日の放課後体育祭委員の集まりがあるの。
病み上がりで大変だろうけど、お願いね。」



「あ…うん…。」



私がいまいちやる気のない返事をすると、清水さんは優しく微笑み自分の席についた。



私はそれを見送り、チラッと実春を見てみると、
今度はしっかり私の目を見つめていた。


それに私は少しドキッとした。



その目は鋭く私を見据えていて、怖いくらいだった。

でも怒ってる風ではなくて、何かを訴えている。
そんな目だ。



そして実春はそれからも何も言わずに自分の席についた。

それを見て、何かやる瀬ない気持ちを抱えながら、私も静かに席についた。


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