君のそばに

「うす…。」


嘉賀くんは迷わず私の元へやって来てそう言った。


「ああ、…う、うす…。」

私は少しどもりながら同じ返事をした。


嘉賀くんがここに来たから皐月たちが叫んだのか。
それにしても、相も変わらない挨拶だね〜…



「どうしたの?こんな所に来るなんて。」



「いや、…何やってんのかと思って。」



はい?何やってんのか、って…
そりゃ…

「部活…だけど…?」



「ああ、そうだよな。オレも今生徒会終わったところ。」


「へぇ…。」




どうしよう…
マジに会話続かない…っ
いきなり来られても、話のネタなんかないよ?

本当に嘉賀くんが何をしたいのか、全くもって理解出来ないんだけど!


それにさ…かなり…周囲の視線が痛いんですけど……っ


私を羨ましいと思っている視線と憎たらしいと思っている視線がゴチャ混ぜになって私に突き刺さる。



私があれやこれや悩んでいる中、嘉賀くんは至ってマイペースに下絵をご覧になられている。



私の苦悩も知らないで、嘉賀くん、君は何がしたいの?



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