君のそばに
清水さんの声で一同は入り口の方に振り向く。
清水さんだ!
私は清水さんが来たことで気持ちが高鳴るのが分かった。
いや、恋とかじゃないからね?
だって皆そうじゃない?心を許した人が来てくれるだけで嬉しいじゃん!
私は清水さんに笑顔を向けた。嬉しいから。
嘉賀くんが来た時とは違う私の反応に皐月が驚いている。
まぁ、そりゃそうか。
王子様が来た時は喜ばないで、友達が来た時にこんなに喜ぶのはおかしいと思うんだよね?皐月としては。
でもそれは私と皐月の価値観が違うだけ。
私は友達が1番だと思っている。まあ、好きな人がいないっていうのもあると思うけどさ…
「清水さんも来てくれたんだ!」
私は清水さんにそう言って、笑顔を向けたはずなのに…
「………。」
清水さんは何も言わず、
冷たい眼差しを私に返した…。
そう、あの教室で会った時と同じような眼差しで…