君のそばに
それにしても、清水さんがあんな態度を取るなんて…。
よっぽど嘉賀くんのことが好きなんだね。
でも困ったな…。
私、嘉賀くんのことそういう風に見てないのに。
ここはやっぱり清水さんに直接言うべきかな?
勘違いされてるのも何だか嫌だしね。
私は念を唱えるようにぶつぶつと呟きながら、放課後の美術室に続く廊下を歩いていた。
すると、
「キャアア〜!」
前方から叫び声が聞こえてきた。
何事?!
私は急いで声がした方に向かった。
どうやら美術室の隣の部屋からみたいだ。
そう、昨日みんなで下絵を描いていた部屋…
部屋の前にはザワザワと群がる部員たち。
何が遭ったんだろ?
私は部屋の前に集まる部員たちを押し分けながら、やっとの事で中に入った。
……!
そして、私の目に飛び込んできたもの…
それは
無惨にもカッターか何かでズタズタに切り裂かれた下絵の姿…