君のそばに
今、私は嘉賀くんと職員室に向かっている……。
何でこんな事になってんの?
私は今だに状況を受け止められていない。
えっと、こんな事になった原因って…
嘉賀くんが”板持って来るの、1人じゃ大変だろ。”って言って別に頼んでもいないのに、手伝ってくれる事になったんだ。
お陰で変に緊張しちゃって、心臓ドキドキいってるよ〜!一体何話せばいいの!?
きっと昨日以上に会話に困ってるのは、私だけだろうな…。
私、あまり自惚れとか自意識過剰とかってしない方なんだけど、こればっかりは自惚れちゃっても仕方ないよね?
だって柚と皐月から(特に皐月からだけど)あんな風に言われたら、…まぁ気付くのに時間はかかったけど、意識しちゃうに決まってんじゃん。
すると、私が話さない限り、沈黙状態が続くものだと思っていたのに、意外にも口を開いたのは嘉賀くんからだった。
「…伍棟って、普段からこんなに静かなの?」
私が静かな事に気付いたらしく、嘉賀くんはそう言った。
「…えっ!?
……あ〜……いや………その……どうだろ……。」
いきなりの事で私は心の準備が出来てなく、微妙な返事をした。ていうか、それしか出て来なかった。
しかも段々と声も小さくなる。
はっきりしろ〜!私〜!!
緊張してるのがバレちゃうじゃん!!