君のそばに

私たちの汗と涙の結晶である体育祭の絵が太陽の光を浴びテカテカと反射している。

その絵の下で、3つの色が規則正しく並んでいる。


それを見渡せる高さに上がった体育祭委員より宣誓が誓われている最中だった。

実は宣誓をしているのは実春。いつものおどけた様子はなく、真剣そのものだった。
Tシャツの袖の部分を肩までたくし上げ、空の彼方を見つめながら誓いをあげている。


私は不謹慎ながらも宣誓の言葉より、実春の腕の筋肉に軽くときめいた。


引き締まった二の腕…。
羨ましい…。


実春って何か男っていう感覚がなくて、これを見るとやっぱり男の人なんだなって思う。
やっぱり、なんて言うと実春に怒られちゃうかもしんないけどね。



そして次に行われたのはラジオ体操。

私はラジオ体操の曲が流れる事で体育祭が始まったと実感出来る。それに段々気合いも高まってきた。


中には怠そうに体操している人もいて、気合いが注入された私としては少しイライラ。





私の種目は、知っての通り騎馬戦で午後に行われるようだ。柚のパン食い競争は午前で柚がすごい張り切っていた。


「弓道部のエースなめんなよ!他のパンも食ってやる!」


とか言ってたな…。

食べたい気持ちは分かるけど、他のパン食べたら反則になるよ、柚…。



実春はというと、100m走に出るみたい。

実を言うと今日まで知らなかったんだよね……。いつの間に黒板に書いてたのかな?


男子の100m走も午前にある。

仕方ない、実春の奴も応援してやるか。



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