君への距離~クリスマスの奇跡~
「平尾君ってば!」
いきなり名前を呼ばれて、翼はハッとして我にかえった。
「もう、さっきからずっと呼んでるのにぃ~!」
吉田はそう言って微笑む。
「…すいません」
「ね?平尾君の彼女ってかわいいよね!
なんかちっちゃくて、細くて、妹みたい!
1年生?」
「…タメだけど」
「ええ~!!そうなんだ!ごめんなさい!」
全然申し訳なくなさそうに吉田が謝る。
「在庫出ししてくる…」
吉田をレジに置いて倉庫に向かおうとする翼。
「待って!!」
吉田が翼の後ろから抱きついた。
「…避けないで」