君への距離~クリスマスの奇跡~
「あーあ…もうすぐみんなバラバラになっちゃうのにぃ」



「そだなー…



杏は富山の老人ホーム、アツシは…」


「長野の病院!」


「そうそう!で、シオとマサキが大阪の、俺は静岡、翼は東京の企業…」




二人は顔を見合わせてふうっとため息をついた。



「シケた顔すんなよ~!半年後にまた会えるやろ?」



「でも寂しくなるわね?杏ちゃんとつーくんは遠距離恋愛やないの!」


紗香さんは翼のことをつーくんと呼ぶ。




「翼が東京女とパラダイス!」

リョースケが杏をからかう。




ゴツンッ!!



カウンターごしにかん吉がリョースケの頭を殴る。




「ど-しよ~…!」

杏はテーブルに額をくっつけてヘコんでいる。




「大丈夫よ~!つーくん、杏ちゃん大好きやもん。」



「そうやぞ~!リョースケじゃあるまいし、浮気なんて絶対ない!」




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