君への距離~クリスマスの奇跡~
「杏ちゃん!」
「んっ…!!!」
名前を呼ばれ顔をあげる杏の唇を翼はすばやく奪った。
目を見開いて慌てる杏。
舌を絡め合う、
いわゆる大人のキス。
押しても引いても離してくれない翼に杏は窒息しそうになる。
「んんん~〃」
翼はやっと杏を離した。
ハア…ハア…ハア…
杏は真っ赤に染まった頬を押さえながら翼を見上げる。自分だけ息が上がっていることが不思議でならない。
「へへへ、杏ちゃん勘違いしてたからさ♪
これでもまだ、ローソンの子と大人なヤツしてたって思う?」
翼は唖然としている杏にニヤニヤしながら尋ねる。
「…思わない」
「じゃあ、仲直り!ね?」
翼は杏の頭をくしゃくしゃに撫でた。
「うん!…って
なんか違う気がする!!」
するとその時、店からかん吉の声が聞こえてきた。
「起きたんなら、お昼にするで―!!」