君への距離~クリスマスの奇跡~
これからのこと
全員集合!!
「久しぶりだね~♪こういうの!」
杏を乗せて翼の自転車は緩やかにスピードをあげていく。
目指すはマサキんち!
「あ!そうそう、リサちゃんにさ、なんて相談したの?」
「え?…『翼くんがチユウしてた!浮気してたぁ―!!』ってね♪」
「…なるほど」
―そりゃ睨まれるわけだ。
「ごめんね!…リサにはちゃんと言っとくから」
「謝んないでよ!黙ってた僕も悪いし…」
「これからはちゃんと話してね♪
ちょっと遠いけど、おんなじ日本だしさ!
翼くんは野球、忙しいかもしれないけどたまには電話してもいい?」
杏は翼の背中に頬をくっつけて恥ずかしそうに言う。
「毎日でもいいよ!試合中でも出るからさ♪」
翼はそう言って笑った。
杏もつられて笑う。
「あ!明日バイト?あさっては?」
杏が恐る恐る尋ねる。
「もうバイトないよ!」
「へ?」
「昨日で終わり♪最後の冬休みは遊んでおかないと、ね?」
「ほんとに!?やったぁ♪♪」
杏は幸せそうに微笑んだ。